ピアノの初見ができない原因と克服する方法

ピアノレッスンを続けていくと、初見演奏を求められるケースがあります。

初見演奏とは、楽譜をパッと見てその場で演奏すること。慣れていない方にとっては「え?知らない楽譜でいきなり弾くの?」とびっくりする演奏方法かもしれません。

ですが、少しのコツと努力で初見演奏はできるようになります。

今回は初見演奏ができない方に共通する原因とその克服方法についてご紹介します。

初見演奏で求められることと役立つこと

初見演奏は、他の楽器を演奏する方の伴奏をするためや、自主的にピアノ練習をする力を養うために、演奏家にとって必要な演奏技術の一つとされています。

音楽大学を受験する際にも試験科目となっている初見演奏。どのような能力が問われるものなのでしょうか。

初見演奏は、楽譜上に書かれている必要な情報をきちんと把握して、表現を加えながら即座に正確に演奏する力を備えているかどうかを判断されます。譜読みをする時間である「予見時間」はたいてい20秒~1分程度です。この間、鍵盤に触れることはできません。

このように音楽のプロを目指そうとするさまざまな試験においては、初見演奏で厳しい判断を下されるものです。しかし、ピアノ愛好家の皆様におかれましては、そのような高いハードルは一切なく、ピアノ演奏の技術が少しでも多く、かつ楽しく身につけることができるように、初見演奏の力を養っていければよいのではと思います。

初見演奏の技術が少しでも身につくとどのようなことに役立つか。
以下のような3つのことが挙げられます。

初見演奏を身に付けるコツ
  1. 楽譜の譜読みが正確にスムーズにできるようになる
  2. 他の楽器の伴奏ができるようになる
  3. 人前でのピアノ演奏も苦にならなくなる

楽譜の譜読みが正確に、しかも素早くできるようになるのは、初見演奏の勉強を重ねることで楽譜上から必要な情報をパッと見ただけで効率よく判断する能力が備わるからです。

そのため、お友達の楽器演奏時の伴奏者として、また、人前で演奏するうえでも「この曲弾いてくれる?」と言われたときにさっと対応できる、優れた演奏家になることができますよ。

初見ができない原因は楽譜への苦手意識から?

できれば蓄えておきたい初見演奏の力。「でも、やはり少し難しいな…」と感じる方もいるかもしれませんね。

「初見ができない、苦手!」だと感じる原因は、楽譜そのものへの苦手意識や、読めないという先入観からかもしれません。

きちんと読まなければいけない、間違えてはいけないなど、楽譜への思いはいろいろあるかと思いますが、まずはその苦手意識を取り払いましょう。

前回までの楽譜にまつわる記事でも何度かお伝えしてまいりましたが、楽譜を読む際はポイントだけ押さえれば、あとはその法則に則って読んでいくだけで、譜読みは必ず成功します。ひらがなや九九を覚えるように、楽譜も少しだけ音の位置を覚えてしまいましょう。

大人からでも決して遅くはありませんよ!

効果的な克服方法とは

それでは、初見演奏を克服する効果的な方法とはどのようなものでしょうか?

ポイントは3つあります。

(1)楽譜を読む際と同様のことをする

譜読みを始める際に大切なのは、以下の5つです。

譜読みのポイント
  1. ト音記号かへ音記号か
  2. 何分の何拍子か
  3. 何調か
  4. 速さの指示はどのくらいか
  5. シャープやフラットなどの調合が臨時的についている箇所の確認

譜読みと初見は同じだと思って下さい。

これさえできれば、あとは楽譜の譜読みと同様、読み進めていくだけです。

ただし、譜読みの際は片手ずつその場で弾くこともでき、時間に余裕がある場合が多いのですが、初見時は限られた時間の中でそれらを同時進行で進めていかなくてはなりません。その点だけ注意して、譜読みを進行させましょう。

(2)1小節弾いている間に、つねに次の小節に目をやること

楽譜を弾きながら読んでいくと、該当小節だけに注力してしまいがちですが、できるだけ次の小節に意識を持っていきましょう。

このため、慣れないうちはできるだけゆっくりと弾いていくことが賢明です。

できるだけ間違えずに弾けることを優先させていきましょう。

ポイント3:楽譜上の構成をはじめに知ることも重要

予見(演奏を始める前に楽譜を読む時間のこと)の時間には、メロディラインを読む際、曲の構成を読み取ることもとても大切な要素です。

たとえば、主題と呼ばれる最初のフレーズ【A】が、少し違う調に飛んだりと展開しながら盛り上がりを迎え【B】、その後またはじめと同じ主題が出てきて終わる【A’】…という場合があります。

このようなときには、Aが確実に読めていれば、A’の譜読み時間は大幅に短縮できることになりますよ。

オススメの初見演奏の練習方法

先にもご紹介しましたが、初見演奏は音大受験時にも試験科目になるほど重要視されているピアノ演奏技術のひとつです。

このため、日本の音楽能力検定などでも同様に取り入れられるケースがあります。

「ヤマハ音楽振興会」というヤマハ音楽教室を運営する団体では、ピアノ演奏者の力だめしが可能な「ヤマハ演奏グレード」というテストが設けられており、全国のヤマハ音楽教室などを会場にして1年中展開されています。

初見演奏の試験も項目に入っており、その試験にむけた練習問題集が各種出版されています。受験者はヤマハ音楽教室に在籍する子供の生徒さんが多いのですが、どなたでも受験することができます。

そのうえテキストは、いろいろなレベルに合わせて販売され、楽器店などで入手することが可能です。比較的初歩の段階でも取り掛かりやすい練習問題集を1冊ご紹介します。

■ヤマハ演奏グレード9級 初見練習問題 Aコース (ヤマハ音楽振興会刊)

ヤマハのピアノ演奏グレードは、優しい順に10級から6級まで展開されています。

このうち9級では、ハ長調やト長調、ヘ長調、イ短調、ニ短調、拍子も4分の4拍子から4分の3拍子という範囲内で、8小節の初見問題が出題されます。

ちなみに10級ですと、4小節とさらに短い問題が設定されています。

メロディも同じ主題が2度出てきたり、左手の伴奏も単音の全音符での進行と、比較的初歩の方にも解きやすいおすすめの内容となっています。

もしも、この練習問題集をどのように活用すればよいのかわからない場合は、

https://www.yamaha-ongaku.com/music-school/grade/

ヤマハ音楽教室のグレードテストのサイトをご参照ください。

初見演奏ができるとピアノ演奏の幅が広がる!

ここまで、初見演奏ができない原因とその克服方法のポイントなどについてご紹介しました。

いかがでしたか?初見ができるということは、楽譜もスムーズに読めることにつながっていきます。

音楽の楽しみ方もより一層増えて、その可能性がどんどん広がっていきます。

どうぞご紹介したコツや初見演奏を上達させるツールを活用していただき、少しでも楽譜になれ、演奏できる力が備わりますように。

そして、ピアノをもっともっと楽しく演奏できることを願っています。

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ABOUTこの記事をかいた人

武蔵野音楽大学卒業後、(財)ヤマハ音楽振興会に就職。

在職中はヤマハ音楽教室の講師研修やテキスト作成の補助業務、会員誌の編集などを担当。出版部門に出向後は輸入楽譜の日本語ライセンス版や新刊情報誌の編集に携わる。

現在は指の病気のため講師業を休職中。「ピアノを弾いてみたい…」と願う方の一助を担えたらと思い、初心者の方にもわかりやすく丁寧に執筆しました。