苦手な楽譜を克服する 譜読みのトレーニング方法

大人からピアノを練習し始めると、どうしても譜読みに時間がかかり、苦手意識を抱いてしまいがちです。しかし、譜読みは楽譜の決まりごとさえ覚えてしまえばそんなに難しいものではありません。

今回は譜読みが少しでも早く進んで快適に演奏が楽しめるようになる譜読みのトレーニング方法について、ご紹介します。

譜読みは、まずは法則を覚えよう

子供時代にピアノを始めるのとは違って、大人のピアノレッスンにはいろいろな事情がつきまといます。

指や腕が思うように動かなかったり、早くも始まった老眼では近くの五線譜が見づらかったり。そもそも練習したくても、なかなか時間がとれないということもあるかもしれません。

しかし、譜読みは一度読み方さえ覚えてしまえば、それでOKです。算数の九九や、ひらがな表と同じです。

譜読みができるようになると音楽が、演奏がもっと楽しめるようになりますよ。楽譜上の音符の並びには法則があるので、まずはそれを覚えてしまいましょう。

手っ取り早く練習がはかどるようにするために、これからご紹介する内容で譜読みのトレーニングをしてみませんか?

譜読みのトレーニング1 楽譜を見て弾く前に

ピアノの前に座って、いきなり演奏を始めたとします。

何拍子の曲かわからないまま、何調なのかもわからないまま弾き進めると、どうしても途中で「あれ?こんな曲だったっけ?」と疑問に思う箇所が出てきてしまいます。

そのため、楽譜を前にしたらピアノをいきなり弾こうとせずに、これからご紹介する楽譜上で最低限読み解いておきたい部分を覚え、習慣化させましょう。

STEP1:ト音記号などの音部記号を読むことを習慣化する

音部記号を読み間違えると、楽譜上の音符が正しく読めなくなってしまいます。

まず一番に見ていただきたいのはト音記号なのか、へ音記号なのかという記号です。

ト音記号ならば、どの音がどの高さから始まるのかをあわせて見てみましょう。

音の高さはとても大切です。なぜなら、ちょうどおへそのあたりにくるドから始まるのか、もう一つ高いドから始まるのかで楽曲自体がが変わってしまうからです。

丁寧にゆっくり譜読みを進めてください。

STEP2:拍子記号と速度表記を読むことに慣れる

拍子記号とは分数と同じような形態で書かれたもので、音部記号の右側に位置します。

記号は分数同様で、下の分母の部分から先に読むことを忘れずにします。

1小節の中が何拍子かということは、楽譜を読みながら弾くうえで大変大切な要素です。

16分音符以上の細かい音符がでてくるときなど、音符の長さが1小節分のなかにきちんとおさまるように注意して弾きましょう。

また、速度表記については、その曲の性格をあらわすような、これもまた大切な注意事項です。

はじめからプレストのように早く弾くことはできませんから、譜読み段階ではご自身の読みやすい速さで弾き始めるようにしましょう。

STEP3:何調なのか確認することを忘れないで!

次に必要なことは、何調で書かれた曲かを知ることです。

ト音記号などの左側にシャープやフラットはついていませんか?「シャープが1つついているからト長調!」と読むのは少し危険です。

楽譜の最終小節をみて、何の音で終わっているかも合わせて確認しましょう。もしかしたらホ短調かもしれません。

STEP4:さぁ、実際に弾きましょう!まずは片手弾きから

ここまでSTEP1~3までの所要時間は、どんなに丁寧に行っても5分かかるかからないかです。

ここまでできたらあとは片手ずつ実際に読みながら弾いていきます。譜読みの大切な部分が1段階終わっているので、自信をもって弾き進めてください。

譜読みのトレーニング2 五線譜に音を書いて覚えよう

譜読みのトレーニング2では、音符を読むコツをお伝えしたうえで、楽譜をできるだけ数多く見て譜読みに慣れるトレーニング方法をご紹介したいと思います。

五線譜に自分自身で音符の黒丸を書いて「譜読みの虎の巻」を作る

音符を五線譜から読み解くことはそんなに難しくありません。

五線の線上と間(かん)を交互に使って、音が書かれていますので、今回はそれぞれの線上と間(かん)の音にわけて書き記していきます。

ト音記号…おへその前にくる中央のドからの高さで、

  • 五線の一番下から線上の音は、「ミ、ソ、シ、レ、ファ」となります。
  • 五線の一番下から間の音は、「ファ、ラ、ド、ミ」となります。

へ音記号…中央のドから一つ下のドからの高さで、

  • 五線の一番下から線上の音は、「ラ、ド、ミ、ソ」となります。
  • 五線の一番下から間の音は、「ソ、シ、レ、ファ、ラ」となります。

実際にご自身で五線譜に音の玉だけ書き記してください。

それがあなただけの「譜読みのオリジナル虎の巻」になります。

「五線譜の虎の巻」を譜面台に置いて、実際に譜読みをするとき参考にする

ご自身で書いたその五線譜を参考にしながら、ピアノ曲の楽譜を手元に置いて音を読んでいきましょう。

はじめは初級程度の比較的優しい曲からはじめましょう。

時間が許せば、何曲もチャレンジしてみましょう。どんどん読めると自信につながり、譜読みの力もそれだけ多くついていきますよ。

楽典を知ると楽譜はもっと早く理解できるようになる

楽譜を知ることは、楽典を知ることとつながっています。

楽典とは、音楽辞典によると「音を楽譜に記すための約束事や規則を説明する際の理論」のことです。

だんだんと弾く力がついて、使用する楽譜も難しくなってくると、楽譜を見るだけではわからないことが徐々に出てくると思います。

そのようなときに役立つのが、楽典の参考書です。

一昔前は、音大を受験するような専門的なものが多かったのですが、現在は多種多様の様式で各社から出版されています。

さらっと読める内容で、「読書時間の良いお供」にもおすすな1冊をご紹介します。

おすすめの楽典本

DVD90分付き 「イチから知りたい! 楽典の教科書」(春畑セロリ・向井大策共著 西東社刊)

音楽の歴史や楽器の説明から始まり、楽譜の決まり事、リズムや拍子、音程や和音まで、楽典のすべてがわかる1冊です。

一般の方でも読みやすくわかりやすいうえ、DVDでの解説もついているのでより理解しやすいのではないでしょうか。

また、「五線は音楽の原稿用紙」として、楽譜の読み方を大変細かく説明しています。

「そういえば、国語の時間に原稿用紙の書き方を習ったっけ…」そんな気楽な感じで、読み進めていただける楽しい構成となっています。

ぜひ読書を楽しむように、譜読みも楽しんでその決まり事や読むコツを覚えて、楽しいピアノ演奏にお役立てください。

練習の一助になれば幸いです。

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ABOUTこの記事をかいた人

武蔵野音楽大学卒業後、(財)ヤマハ音楽振興会に就職。

在職中はヤマハ音楽教室の講師研修やテキスト作成の補助業務、会員誌の編集などを担当。出版部門に出向後は輸入楽譜の日本語ライセンス版や新刊情報誌の編集に携わる。

現在は指の病気のため講師業を休職中。「ピアノを弾いてみたい…」と願う方の一助を担えたらと思い、初心者の方にもわかりやすく丁寧に執筆しました。