【初心者向け】ピアノのペダルの踏み方

ピアノレッスンを始めて間もない方のために、ペダルの踏み方をご紹介します。

ペダルは、奏者が弾くだけでは表現できない部分を補ってくれます。響かせることで音に広がりを与えたり、1音の長さを伸ばし気味にして、音のインパクトを強めたり。

ピアニストのテクニックだけでは成しえない表情を曲に与えて、演奏の幅を広げる効果があります。それぞれのペダルの役割と踏み方を知って、レパートリーの演奏に効果的に生かしていきましょう。

ペダルの種類と名称、役割

グランドピアノとアップライトピアノでは、若干ペダルの役割が変わります。

それぞれの名称と、そのペダルを踏むことで得られるピアノの役割についてご紹介します。

グランドピアノとアップライトピアノのペダルの違い

グランドピアノにもアップライトピアノにも、現在では2本か3本のペダルが付いています。共通のペダルは、右と左のペダルです。よく利用される順番でご紹介します。

  • 一番良く使われれる右のペダル、ダンパーペダル

ダンパーペダルには、音を伸ばし響かせる役割があります。ダンパーとはピアノなどの鍵盤楽器についている消音装置のことです。

通常ダンパーは、鍵盤から指を離したときに、フェルト部分がピアノ弦の振動を吸収して音の響きを止める働きをします。

このダンパーペダルを踏むとダンパーのフェルト部分は弦に付かなくなるため、響きを止めず音が鳴り続ける、というしくみになります。

  • 左のペダル、ソフトペダル

ソフトペダルは、弱い音を出すときに使用します。

通常ピアノは3本のピアノ弦が鳴り音が響くのですが、このペダルを踏むと、弦そのものが1本分横にずれます。この機能を活用して、音を小さくします。

  • 真ん中のペダル、ソステヌートペダル(グランドピアノ)・マフラーペダル(アップライトピアノ)

グランドピアノでのこのペダルの役割は、鍵盤を押している間、その音を少し伸ばし気味にすることです。

上級者が弾くようなレパートリー(曲)でも、楽譜上の指示として出てくることは頻繁ではないかもしれません。

アップライトではマフラーペダルと呼ばれ、鍵の部分にペダルそのものをひっかけることにより、音を小さくして弾くことができます。

ご近所や家族への配慮を必要とするとき、便利なペダルです。

ペダルの踏み方

ペダルを踏む機会は、楽譜にあらかじめ指示されている場合が初めてというタイミングがほとんどではないでしょうか。

実際にペダルはどのようなことに気を付けて踏めばよいのかを、ご説明します。

ペダルを踏むときの姿勢

ペダルの正しい踏み方

1:まず、ピアノの椅子を、通常演奏するときよりも少し後ろに下げます。

2:次に、ペダルを踏めるように右足を前に出します。つま先をペダルに載せ、かかとは床につけたままにします。足が攣りそうになるようでしたら、様子を見ながら踏んでみてください。

3:左足はやや後ろに下げ、かかとは少し浮いたままに。こうすることにより、体のバランスが保て、重心が前に出ます。ペダルに体重をかけやすくなりますよ。

始めはいろいろな位置に足を置いてみて、弾きながらペダルを踏みやすい位置というのを確かめてください。

重心がうまくとれずに体がぐらついたり、ペダルを踏み込めないことがあると良い演奏ができません。何度も試してみてくださいね。

さあ、ペダルを使ってみよう!

いろいろな曲でペダルを踏むことは可能なのですが、使用頻度が高いのは、右のダンパーペダルです。このペダルを使うときは、音が濁らないように踏み方を注意しましょう。

ここでは例題として、映画「2001年宇宙の旅」の冒頭で使用されていた、R.シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」の序奏部分2小節を使い、ペダルの練習をしてみたいと思います。

この曲をご存知でない方は、ネットで探して聞いてみてから練習しましょう。

音はいたって簡単。「真ん中のド」を2拍、右に3つ離れたところの「ソ」を2拍、さらに3つ右にある「上のド」を4拍のばします。ここにペダル操作を入れていきます。

ドとソの音は、一緒に弾いてもきれいに響きますので、濁りも最小限です。安心してペダルを踏みましょう。

ペダルを踏む手順
  1. 先ほどご紹介した姿勢を守って、ダンパーペダルに右足のつま先を載せる
  2. 右手の親指を「真ん中のド」に置き弾く準備をしておく
  3. ダンパーペダルを踏みこむ
  4. ドー、ソー、ドーと弾いていく間、とりあえずペダルは踏みっぱなしにする
  5. 最後の高いドを4つ伸ばしたら、手を鍵盤から離すのと同時にペダルのつま先も上にあげる(かかとはついたままにします)。

いかがですか?続きも弾いてみたくなりますね。

一番の盛り上がりは、高いミとその左上にある黒い鍵盤「ミのフラット」です。ここはペダルなしで行きましょう。このご紹介した練習を、5回くらい繰り返してみます。

ペダルの踏み方に慣れてきたら、今度は1音ずつ踏みかえます。

例題
  1. 前述の3まで同じことを準備する。
  2. 「真ん中のド」を弾く。2拍伸ばし、手を鍵盤から離すのと同時にペダルの足も上げ、ペダルから離す。ソと次のドも同じように弾くときに踏み、指を離すときに同時にペダルの足も上げます。

頭も手も足もフル回転になってしまいそうですが、ゆっくり落ち着いてペダルを踏めば、だんだんと慣れてきて、ご自身が弾いている響いた音も耳に入ってくるようになります。

ペダルの練習をするときは、聞こえてくる音が濁っていないか確かめることが大切です。ぜひ耳を研ぎ澄まして聞きながらペダルの練習をしてくださいね。

間違った使い方をするとどうなるのか

ペダルを踏む動作はピアノを弾く人にとってあこがれのひとつかもしれません。では、間違った使い方をするとどうなるのでしょうか。

  • 音が濁ってしまう

試してみるとおわかりいただけるのですが、例えば「ド、レ、ミ」とダンパーペダルを踏みっきりで続けて弾くとします。聞こえるのは3音の混じった音。

これでは、響きが濁って何の曲をどう聞かせたかったのかわからなくなります。

  • ペダルに足をかけているだけでも響いてしまうことがある

踏む必要がないときにペダルに足を載せたままにすると、ピアノは共鳴してしまいます。

ペダルを踏まない間は、ペダルの右側にスッと足をずらして、必要なときにすぐスタンバイできるようにしておきましょう。

このように、ペダルを踏みっぱなしにすることでおきる弊害があります。

必要なところにきたら踏み、指示のないところでは足をペダルから離し音を濁らせないように注意しましょう。

ペダルの練習ができるオススメの教本

ここまで、ペダルについてお伝えしてきました。

ピアノが弾けるようになる教科書「ピアノ教本」は、各出版社からいろいろなタイプのものが発売されていますが、ペダルの練習に特化した楽譜は教本ほど数多くありません。

今の時代はインターネットで情報を得られるので、ペダルについての不明点があればすぐ解決できると思います。ですが、楽譜を見て学ぶという本来の学習方法も大変有効です。

そこで、簡単に学べるペダル練習のための楽譜を1冊ご紹介しておきます。

『ペダルの練習帳Ⅰ 必ず上手に踏めるようになるペダルメソード』

(堀江真理子著・ヤマハミュージックエンタテインメント出版部)

この楽譜は、小学校低学年の生徒さんでも理解できる内容でペダルの習得方法を説明しています。ペダルを踏む練習だけではなく、実際に曲(レパートリー)に合わせてペダリングを学ぶことも可能です。

ピアニストである著者の方の専門知識は確実で、ペダルの技術が身につくだけでなく、ピアノの演奏力・表現力も向上するおすすめのペダル教則本です。

ペダルを踏む工程も楽しく進めよう

ピアノを練習するときは、すべての工程を楽しみながら進められたらいいですね。

決して辛くないのが大人の習い事の良いところです。少しずつ上達することを目標に、音楽できる喜びを感じてくださいね。

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ABOUTこの記事をかいた人

武蔵野音楽大学卒業後、(財)ヤマハ音楽振興会に就職。

在職中はヤマハ音楽教室の講師研修やテキスト作成の補助業務、会員誌の編集などを担当。出版部門に出向後は輸入楽譜の日本語ライセンス版や新刊情報誌の編集に携わる。

現在は指の病気のため講師業を休職中。「ピアノを弾いてみたい…」と願う方の一助を担えたらと思い、初心者の方にもわかりやすく丁寧に執筆しました。