ピアノの鍵盤の押さえ方 美しい音色を出すための基本

ピアノを初めて間もない方に、鍵盤の押さえ方についてご説明します。

ピアノと一言で言っても、キーボード、電子ピアノ、アコースティックピアノなど、その機種によって鍵盤の数や素材、重さもさまざまです。

今回はアコースティックピアノに照準をあて、どのように鍵盤を押さえるのが正解なのか、そして良い響きになるのかをご紹介したいと思います。

ピアノの鍵盤を押すには少し力が必要

ピアノは、鍵盤を押すことでピアノの内部でハンマーが上がり、ピアノ線を打って初めて音を奏でる楽器です。

ピアノを始めて間もない方は、指で鍵盤を押すその力のさじ加減が難しいと感じるかもしれません。ですが、何度も弾いていくうちに、必ずご自身の弾きやすい状態を把握できるようになります。

その日が来ることを夢見て、少しずつで構いません。鍵盤に指を慣れさせることからスタートさせましょう。

まずは手を鍵盤に置こう【右手編】

いきなり両手で弾き始めても音が出ないわけではないのですが、鍵盤には厚みがあるため、きちんと音を鳴らすとなると、少しだけ準備運動が必要になります。

そこで、まずは右手からご紹介していきます。

1.まず、「真ん中のド」と呼ばれるドを探しましょう。

これまで幾度となくご説明しましたが、再度確認します。鍵盤の真ん中、弾き手のおへそのあたりに位置する2つの黒鍵の左下にあるのが「真ん中のド」です。

2.ドが見つかったら、今度はお隣のレ、ミと順に鍵盤上に指を1本ずつ載せていきます。

ド…親指、レ…人差し指、というようにあせらずゆっくり載せていきましょう。

3.次に、親指でも人差し指でも、どのような指でも良いので鍵盤を押します。

ここで、一度確認です。鍵盤は下まで押せましたか?

この「下まで」に、実は鍵盤の押さえ方のコツがあるのです。

鍵盤は下まで押すと音が鳴る

ピアノの構造の話になりますが、先ほどご説明したように、ピアノの中にはハンマーと呼ばれる部分があります。

ハンマーは、下から上に向かってピアノ線を叩きます。

鍵盤はきちんと下まで押せば押すほど、「小さい音にしたい」「主張する音にしたい」「元気よくスキップするように弾きたい」などの思いがそのままハンマーに伝わります。

このような理由から、鍵盤は、習いはじめの頃から「きちんと下まで押すこと」を心がけるようにしましょう。

練習を続けると中級、上級とレパートリーが広がっていきます。難易度も徐々に上がるので、正しい弾き方を身につけておくことで、初歩的なことでつまづくことがなくなります。

下まで鍵盤を押さないと、何が起こるのか

鍵盤の押さえ方は、指の形と密接に関係しています。

一度、指を丸くしない伸びたままの状態で鍵盤を押して下さい。指のハラの部分全体で押すような形になったとき、音は鳴りましたか?

指を伸ばして鍵盤を押すと、いくら下まで押さえようとしても力点が分散してしまいます。指の力が指のハラ全体に散らばってしまい、うまくハンマーに伝わらないからです。

この状態で弾き始めると、優しく簡単な曲の場合はまだなんとか音が鳴りますが、テンポの速い曲などになると指をうまく使いこなせず、鍵盤を押さえることすら難しくなってしまいます。

指先で鍵盤をピンポイントで押すことで、力は1点に集中しハンマーが敏感に反応してくれます。まずは手の形を丸く、指も丸いままの状態を保ち、練習を継続していきましょう。

鍵盤をスムーズに押すために。おすすめエクササイズ法

鍵盤はすぐに下まで弾けるようになっても、そこから表現力をつけるためには、練習を継続させることが効果的です。簡単なエクササイズで無駄な手の力を省き、リラックスして鍵盤を押せるようにしましょう。

1.手をグー、パーすることを繰り返す

手を握り、広げるを10回行います。次に、右と左、交互にグー、パーをします。20回ほど続けましょう。

2.手を振る

グー、パーで使った、普段利用しない筋肉をほぐすため、手を振って一度脱力します。

3.親指、人差し指、中指…の順番で、空中で指を動かす

脱力が上手にできたら、今度は1本1本空に向かって指を動かしましょう。

できれば、ドからソまで弾くイメージで、5本の指をすべて動かします。はじめは3回。徐々に回数を増やすとよいでしょう。

このとき、左手は、右と同様ドレミファソ…でも構いませんし、親指同士、人差し指同士というくくりで指の体操を始めることをおすすめします。

独立して1本ずつの指がスムーズに動かせるようになったら、今度は実際にピアノで弾いて感触を試しましょう。

鍵盤を押しやすくする指の位置

ここまでのエクササイズで、指が少しだけ動かしやすくなったかもしれません。

鍵盤で出来ることが多くなると、気持ちにも手にも余裕が生まれ、ピアノ練習が楽しくなるのではないでしょうか。

最後に、指でもっとも鍵盤を弾きやすい場所があります。

指と爪の間には肉があります。爪が伸びていると少し難しいかもしれませんが、ピアノの鍵盤を押すときには、この指先の部分を鍵盤に付けるように意識してみてください。

さいごに…

練習のたびに正しい鍵盤の押さえ方を心がけることによって、自然と手全体も丸くなり、良く鳴る音を作り出すことができるようになります。

一歩一歩練習を積むことで、ピアノは確実に上達します。

どうぞご自宅や練習室で、打鍵(鍵盤を押すこと)の方法をいろいろ試していただき、正しい方法が身につくようレッスンしてみてくださいね。

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ABOUTこの記事をかいた人

武蔵野音楽大学卒業後、(財)ヤマハ音楽振興会に就職。

在職中はヤマハ音楽教室の講師研修やテキスト作成の補助業務、会員誌の編集などを担当。出版部門に出向後は輸入楽譜の日本語ライセンス版や新刊情報誌の編集に携わる。

現在は指の病気のため講師業を休職中。「ピアノを弾いてみたい…」と願う方の一助を担えたらと思い、初心者の方にもわかりやすく丁寧に執筆しました。