ピアノ初心者がまず始めるべき4つのこと

ピアノ初心者の方は、練習を本格的に始める前に何をすればよいでしょうか。あらかじめ知っておくと便利なポイントを4つご紹介します。

ピアノの椅子の座り方、手と指の形、鍵盤の押し方などを正しく理解していれば、レッスンの途中で体に思わぬ負荷がかかって腱鞘炎などになることもなく、楽しく上達していけることでしょう。

ぜひ、ご自宅で練習をする際の参考にして頂きたいと思います。

椅子の座り方

ピアノの椅子には、いくつか種類があります。

座面が少し硬い背もたれ付きのものや、少しやわらかめで横長のものと言うように、アコースティックピアノの椅子だけでも種類があるものです。

座面の高さはレバーを引き上げたり、回したりして調節が可能です。

電子ピアノでもキーボードでも、鍵盤楽器を演奏する際にはそれぞれの椅子を弾きやすい位置に調整する必要があるのですが、このとき目安となるものがあります。

それは、肘の高さです。

腰かけたとき、ピアノの鍵盤よりも肘が極端に上に位置したり、下に位置したりすると、手首や腕・肘・肩、ひいては腰にまで負担がかかってしまいます。

このため、一般的な体型の方なら肘の曲がっている角度が、大体45~50度くらいになるように座面の高さを調節して座っていただくことをおすすめします。

また、ピアノの椅子に座った時、腕が楽に動かせる幅があるでしょうか。体が鍵盤近くまで前に出てしまうと、腕周りが窮屈になり弾ける範囲が狭くなってしまいます。

大人の方で、お腹と鍵盤の間が20cmほど空いていると(大体こぶし2つ分)、腕は自由に動かしやすくなりますし、鍵盤も弾きやすくなりますよ。

手は軽く丸みを帯びた形にする

指で押すだけで音が容易に出せるのが、鍵盤楽器です。鍵盤楽器は、弾き方によって音色の変化をいくらでもつけることができます。

まずは、どのような曲でも弾けるようになれる手の形をマスターしましょう。

手の形の作り方
  • 前回までの記事でも何度かご紹介しましたが、まずは手を軽めのグーの形にします。
  • テニスボールほどの大きさの球体を手のひらでつかむようなイメージで、少しだけひらきます。
  • その手をそのまま鍵盤に載せると、親指が「ド」、小指が「ソ」に届くくらいまで広がります。
  • 手の甲が少しだけ上がって、指が自然な形で丸くなっていればOK。

ピアニストによっては、指を伸ばし平たくして弾く方法をとるなど、いろいろな形で演奏する人もいるのですが、初歩の段階では指を丸くして弾くことを覚えた方が賢明です。

ピアノ演奏が上達して弾ける曲が増えてくると、曲によっては指をまたがせたり、くぐらせたりする必要が出てきます。途切れることなくメロディラインを奏でるには必要な方法です。

指を丸くセッティングすると、中指の下を親指が通りやすくなります。また、親指の上を薬指がまたぎやすくもなります。

早いテンポの曲や音符数の多い曲を将来弾きこなせるようにするためにも、ピアノを習い始めた初期から正しい手の形で弾くことを覚えて、無理な力を抜いて楽に弾ける方法を身につけましょう。

背中にも少々配慮を

実は背中の状態も、ピアノ演奏には大切な要素です。

背中を丸めて弾くピアニストもいますが、はじめの一歩を踏み出した方は、少し背筋を伸ばした状態で、椅子に腰かけてみてください。

腰から頭までの背後に気を配ると、きれいな音が出しやすくなります。試してみてくださいね。

ペダルの使い方

ピアノを習い始めたビギナーの頃には、あまりペダルを踏む曲が出てきません。

ペダルは、ピアノによって2本ついているのもあれば、3本ついているものもあります。役割分担が決まっていて、それぞれ表現の幅を広げてくれます。

■2本ペダルの役割

  • 右:ダンパーペダル

通常鍵盤を押すと、ピアノ内部ではダンパーと呼ばれる部分がピアノの弦を押さえ音を途切れさせるのですが、このペダルを押すとダンパーは上がったままになり、音の響きが続きます。

  • 左:ソフトペダル・シフトペダル

端的に言うと、音を小さくする役割があります。楽譜上で「小さな音で弾くように」と指示がある場合に使うと便利です。

■3本ペダルの役割

右と左のペダルの役割は変わりません。真ん中のペダルだけ解説します。

  • 真ん中:ソステヌートペダル(グランドピアノの場合)

音楽の記号に「ソステヌート」というものがあります。音符の上や下に、横棒が引っ張ってあるものがそれです。

一つの音を十分に伸ばすという指示なのですが、このペダルを使うことで、指だけではなくピアノそのものを使って表現できるようになります。

  • 真ん中:マフラーペダル(アップライトピアノの場合)

アップライト型(縦型)ピアノの場合は、真ん中のペダルの枠にひっかけるような部分があり、そこにペダルを入れ込みます。そうすることにより、ピアノ内部ではフェルトが1枚かまれ、音が小さくなる効果があります。

ピアノを習い始めて一番最初に使う可能性が高いペダルは、右についているダンパーペダルです。左手の楽譜にPとかかれて表現されていますので、お手元に楽譜がある方はぜひ探してみてください。

ペダルは、左足で踏みます。初めて踏むときは、楽譜のPで踏み、そのあと横棒が途切れるところで離します。音全体が響くことにより、荘厳な雰囲気を演出できたり、オーケストラのような幅のある音響を真似できたりと、その効果は絶大です。

遊び感覚でも構いませんので、左足で押す、離すを繰り返して、踏み込む強さやタイミングを練習してみてください。

基本の基を覚えて、効率よくピアノを練習しよう

今回は、ピアノに向かうときに注意していただきたい基本についてご紹介しました。

国語の授業を始める1年生に鉛筆の持ち方から説明したり、作文の授業で読点と句点の使い方などを学ぶことと同じで、ピアノにも基礎があり、それを覚えることがとても大切です。

少し心がけるだけで、発せられる音はとても美しくなるものです。

ご自身の出している音に耳を良く傾けながら、ぜひ無理なく弾ける体勢を探したり、覚えたりしてください。

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ABOUTこの記事をかいた人

武蔵野音楽大学卒業後、(財)ヤマハ音楽振興会に就職。

在職中はヤマハ音楽教室の講師研修やテキスト作成の補助業務、会員誌の編集などを担当。出版部門に出向後は輸入楽譜の日本語ライセンス版や新刊情報誌の編集に携わる。

現在は指の病気のため講師業を休職中。「ピアノを弾いてみたい…」と願う方の一助を担えたらと思い、初心者の方にもわかりやすく丁寧に執筆しました。